あがり症とは?

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あがり症とは?日本人に多い理由について

医師

あがり症は、「SAD / 社会不安障害」とも呼ばれ、人前で緊張してしまう対人恐怖症の一種で、赤面症はそのひとつと考えられています。

 

対人恐怖症の人は、できるだけ社会との関わりが少なくなるように行動し、人と会話する機会や、大勢の人前に出ることを非常に強く警戒するという症状が見られます。

 

また、緊張して汗がたくさん出る多汗症、顔が赤くなってしまう赤面症などがあります。

 

特に、あがり症の人は、他の人と対面したときや、大勢の人の前で話さなければならないときに発症します。心臓が激しく鼓動を打つのが聞こえるほど緊張し、顔や手のひらから汗が吹き出します

 

さらに、呼吸が細くなったり、無意識に呼吸を止めてしまうこともあり、呼吸困難に陥ってしまうこともあります。

 

相手の目をきちんと見ながら話しをすることが非常に苦手で、できるだけ目線を避けようとします。結婚式やパーティーなどでスピーチを頼まれると、自分の順番が近づくと、異常なほどに興奮します。

 

そして、実際にスピーチを始めると、何も考えられなくなり、頭の中が真っ白になってしまい、用意してきたことの半分も話すことができなくなってしまいます

 

日本

世界的に見ると、あがり症の人は日本人に多く見られ、自分が少しでもあがり症だと感じている人は、全体の9割以上といわれています。

 

逆に、欧米諸国ではあがり症や対人恐怖症の人は少なく、日本人とは正反対の確率となっています。

 

アジアだけを見た場合も、日本人は特にあがり症の人が多いという研究報告があります。

 

日本人にあがり症の人が多い理由は、いわゆる国民性や民族性によるものと考えられていますが、詳細は明らかになっていません。

 

ただ、日本は島国であり、なおかつ鎖国政策を長くとっていたことから、他国(=他人)との関わり方・接し方が上手ではないことが原因しているとの指摘もあるようです。

 

さらに、日本では「恥」の文化と「協調性」の文化が根づいており、特に協調性の文化では、「他人に合わせる」ことが重視されます。

 

制服の女性

その一例が、制服です。西欧の学校で制服があるところはほとんどありません。しかし、日本の学校ではたいてい中学校、高校には制服があります。

 

これは、「みんな一緒」あるいは「平等」といった画一的な感覚や仲間意識、協調性を持つうえで重要だと考えられているためです。

 

自分の意見を押しとどめてでも、人の意見に合わせてスムーズに物事を進めるのも日本人の特徴といえます。

 

諸外国からは「日本人には意見がない」「主張しない」と批判されることもありますが、結果的には物事が滞りなく進むケースも少なくありません。これも、ある意味、協調性を重視した文化ならではのことといえます。

 

こうした文化の中で生きていると、自分は協調性があるのか、ないのかといったことに敏感になってしまいます。これがいわゆる「周りの目が気になる」という状態で、あがり症は周りの目を過剰に意識することによって起こる病気なのです。

 

他人の目(視線)が過剰に気になるのが「視線恐怖症」、これに伴って赤面する場合は「赤面恐怖症」と呼ばれます。他人の視線が気になりすぎて会社に行くまでが苦痛に感じるようになるなど、社会生活に著しく支障をきたす場合もあります。最悪の場合、自宅に引きこもってしまうケースもあります。

 

こうしたあがり症(SAD)は、抗うつ剤や抗不安剤などを用いて心の平静を取り戻し、あがりにくくする薬物療法や、認知行動療法などの精神療法によって改善することが可能です。